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わたくし、これから暴れます。in Russia


ロシア留学生の日常
by glbee

言葉と文化

ロシア語を勉強してて思うが、言語とは不思議なものだ。
日常で何気なく使っている言葉の裏には、それぞれの文化、歴史が隠れてる。

当たり前だと言うかもしれないが、
日本語と英語を知っているだけじゃ、ここまで好奇心湧くことはないだろう。

例えば、「行く」。
英語 go
ロシア語 идти、ехать、ходить、ездить

英語と日本語には1つしかない「行く」でも、
ロシア語には4つの「行く」がある。

идти (片道、徒歩で)行く
ехать (片道、乗り物で)行く
ходить (往復、徒歩で)行く
ездить (往復、乗り物で)行く

その他にも事細かに意味があるが、大まかに言うとこんな感じだ。
ちなみにcomeではない。それはまた違う単語がいろいろある。
またидти、ходитьはwalkとも言えるが、もっと広義だ。
そして他に漠然と「行く」といった単語はない。
やはり、4つの「行く」である。

不思議だ・・・
まず、なぜ徒歩と乗り物という区別をつける背景になったのか。
ここからは俺の推測だが、

ロシアは昔から、有り余る土地を抱えていた。
また、冬は知っての通りクソ寒い。
人々の住み分けによって、移動手段、移動距離が異なっていただろう。
つまり、金持ちは馬車に乗って、一般民は徒歩で移動したと推測される。
これは別に、ロシアに限った話しではないが、
この国の地理的状況から、その違いの意味する事がことのほか重要だったのではないだろうか。
馬車に乗って移動するならば、凍え死ぬことはない。また、長い距離移動できる。
しかし、徒歩では、少しの距離しか動くことができないし、途中で凍死してもおかしくない。
つまり、「移動する」という意味が階層によって異なったのではないだろうか。
そして、実際に貴族たち金持ちが使う「行く」と、一般民たちが使う「行く」は、単語そのものが違っていたかもしれない。

片道と往復についても、
広大な土地での移動が、すぐに帰ることのできる移動か、またはそうでないものかによって区別されたのかもしれない。
一旦動いたら、なかなか帰ってこれない、そんな状況は容易に想像できる。

これは、あくまで俺の勝手な推測で、このことに関しては恐らく学者が研究し尽くしていることだろう。
だから、全然的外れなことを言ってるかも。

でも、こんな風に言葉の意味やそれが持つ背景を考えるのは楽しくてたまらない。
他言語には「なぜ?」というルールがたくさん存在する。
その一つ一つに出くわすたびに、ジュワジュワと好奇心が沸いてくる。
そこには、必ず歴史的背景があるはず!
軽くヒストリアンになった気分。
これも悪くない。
by glbee | 2010-10-15 08:51 |
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